今年の開発目標は、

あけましておめでとうございます!

前回の投稿が6月だったという事実に気づき、少々のけぞっておりますが、本年もキュージーをよろしくお願い申し上げます。

最後の投稿からおよそ半年の間、いったい僕は何をしていたのでしょうか。。。と思って振り返ってみると、やはりまあ音響の現場を転々としていたようです。
お勤めのように通勤電車に揺られたり、宇宙船のように密閉された劇場の中に住み込んでみたり、あ、そうだ、とある一時期ははじめて島に住み着いてもいました。瀬戸内国際芸術祭のプログラムで香川県の本島にわたり、毎日、海を見ながら起きて、江戸末期に建てられた芝居小屋でお芝居をつくったりしていました。

橋のある風景。すごい存在感なので、無かった頃が想像できません。

これは千歳座という歌舞伎小屋。ふるい。手回しの回り盆がそなわっています。

これは海岸でのPA用にキュージーFMトランスミッターを合わせたもの。電波で飛ばしてラジオを鳴らしました。


そんなこんなで舞台に関わるうちに、時は流れ、年は開け、ほとんど開発の成果が世に出ていないことに気づくお正月、となってしまったわけですが。年末からぼんやりと危機感はありました。
というのも、我らがキュージーはみずからを『音楽サンプラーアプリ』と名乗っておりまして、ハードウェアにも負けない性能、ハードウェアよりも使い易い基本機能、を目指して開発しておりますが。そんな僕の年末の現場の写真がこちらです。

積み重ねたグライコに、アンプ、

ミキサーと、再生用のMac Bookのとなりに、、、!

なつかしのローランドのサンプラーが見えます。

そう、サンプラーアプリを開発している自分が、現場のためにわざわざ十数年も前に使っていたハードウェア・サンプラーを引っ張り出してしまったのです。それは何故か。機能性や安定性についてはもはや不安になる要素はないのですが、たった一つハードウェアに勝てないこと、それはハードウェアであるという点でした。つまりオペレーションをするにあたり、どうしても物理ボタンが必要だったのです。

本番で舞台の進行を見ながら、そこに音楽や効果音を当ててゆく。するとどうしても手元を見る隙がない場面に出くわします。物理ボタンであれば、ボタンの際にそっと指を当てておき、きっかけが来たところで押し込めば良いのですが、タッチスクリーンだとそれができない。というわけで今回は懐かしの SP-303 に頼ってしまいました。
MIDI関係の基礎研究は、じつは前々から行っていたのですが、今回のこともあり、やはりどうしても実現せねば、という気にさせられました。

というわけで、再来週の KAAT の公演、

夕暮れ社/弱男ユニット
『僕たちは、世界を変えることはできない』

http://www.kaat.jp/d/yowaotoko_unit

から帰ってきたら、さっそくMIDI信号での制御機能の開発に取り掛かりたいと思います。(じつは基礎研究はもうかなり進んでいるのですが)

リリース時期についてはまだ未定ですが、本年もキュージーの成長をのんびりご期待くだされば幸いです。
それではー。

開発チーム
三橋 琢