CueZyがどんなアプリかというと

CueZy (キューズィー)はサンプラーという機械をiPhone上で実現すべく開発されたアプリです。
サンプラーとは、音楽や舞台の現場で、音を録音したり、その音を素早く再生したりする機械です。


これは2008年、福岡のぽんプラザホールで行った、ニットキャップシアター"愛のテール"の写真だと思います。
写真の右下に写っている赤いやつがサンプラーRolandのSP-808EXですね。
これを懐かしく感じる音響さん、すごく親しみがわきます。

音響の世界では、あらかじめ制作しておいた音源を、決められたきっかけ(台詞や、役者の動きなど)に合わせて再生することが多いのです。
役者の呼吸を読みながら音を合わせたり、それを1分の間に10個や、20個くらい重ねたり。
たくさんの音源を、素早く、しかも同時に再生するという、そんな用途に向いているといえば、それはやはりMDデッキではなくサンプラーになってしまいます。
写真のSP-808EXのばやい、16個のパッドがあるので、同時に16個の音源を再生できます。
CueZyは9 Pad Samplerなので、9つの同時再生が可能ですね。


これは7月、京都芸術センターで行ったニットキャップシアター"ピラカタノート"の音響ブースです。

まんなかに見えるのは、NovationのLaunchPadで、なんと64個のパッドが並んでいます。
でもこれは単なるコントローラで、再生機の本体は、後ろのPCの中の、Ableton LIVE!というアプリケーションです。

PC再生の利点は、マルチチャンネルで出力できる事や、事実上、音源の長さを気にせずに使えること。
しかし反面、どうしても動作が不安定だったり、何より配線や起動などセットアップに時間がかかります。

そこで写真の右側、CueZyの登場ですね。
この現場でも、システム立ち上げ途中でのサウンドチェックや、本番のバックアップなどに活躍しておりました。


これは2月に、伊丹のAI・HALLで行ったニットキャップシアター"さらば箱舟"の稽古場ですね。
まだインターフェースが無骨なままです。

稽古場では、CueZyとパワードミキサーをつないで、音出しは十分事足ります。
といいながら、PCにもたくさんのプレーヤーが立ち上がっていますが。

このように、音を再生するところに素早く便利なアプリというのが、CueZyのコンセプトです。
そもそもiPodはミュージックプレイヤーなので、たくさんの音楽が入っていますよね。
その場で選曲して、そのままCueZyに取り込んで、そのまま稽古場で流したり。
サンプラーiPodがくっついた事の恩恵を、最大限に引き出せるアプリを目指して、これからもビシバシ鍛えてゆきます。

あ、ちなみに先ほどの"きっかけ"という言葉や、その"きっかけ"を知らせる合図のことを、"Cue(キュー)"と呼びます。
CueZyの"Cue"ですね。

愛すべき現場とともに。
愛すべき仲間のために。

CueZyの進化は日々とまりませんよー。