劇場入りまで、もう秒読み!

もう十年以上のあいだ、ニットキャップシアターという劇団で音響をしています。
そしてCueZyの開発をはじめてから、一年と四ヶ月くらいの時間が経ちました。
いま自分の抱える仕事の種類はとても多くて、日々さまざまな物事を並列的に進めているわけですが、今日から十日ほどのあいだばかりは音響一色の時間割となってしまいます。

そう、もうすぐ本番がやってくるのです。


大詰めの稽古場は、緊張感も普段以上に。

いま、最後の通し稽古をおえて文章を書いています。
余計な緊張はしません。でも、未完成の部分や、ほかのスタッフワークと合わせてみない事には判然としない、不確定な領域に対する興味と意欲は、ふつふつとこころの中に煮えています。
お芝居は生ものですから、100分の上演時間なら丸々100分間やってみないことには、その舞台がどのようなものだったのか判然とはしません。
もちろん待ったやリテイクはありません。
だからこそ、その瞬間その瞬間にできるだけの熱意を込めて、自分の受け持つ役割を精一杯こなします。


鋭いレスポンスを叩き出す、ニットキャップシアターの市川さん。

思えばCueZyは、そんな現場で頼りになる、音響さんの相棒のようなアプリです。
少なくとも、そうなれるべく設計し、実装して、こうして稽古に本番に、使い続けているのです。
研ぎ澄まされた役者の呼吸は、刹那(せつな)という単位を思わせるほどに細密なもので、その呼吸にしっかり追いつこうとすると、再生レスポンスにも自ずとかなりの鋭さが求められます。


パワードスピーカとCueZyの、稽古場音響セット。

発音レスポンス、再生動作の安定性、さまざまなプレイを実現する発音設定の豊富さ。
CueZyの設計は、すべてこうした舞台からの要望を基(もとい)にしています。
かけがえのない仲間と創る、かけがえのない瞬間のために。
CueZyの進化は、これからも止まりませんよー。


音響さんはもちろん音作りもいたします。これはTOA PM-240というマイク。

ちなみに今回、三橋が稽古場で使用しているのは、CueZy バージョン2.0.1の開発バージョンです。
オーディオ再生エンジンのコア部分を大幅にリファインしたので、動作検証も徹底的にしております。もちろん本番でも使いますよ。

そんな、CueZy - 9 Pad Samplerと、ニットキャップシアター #32「Strange」どうぞよろしくお願いします。

ニットキャップシアター #32「Strange」http://knitcap.jp/32nd/
【京都】@アトリエ劇研 - 2012.12/13(木) 〜 18(火)
【東京】@ザ・スズナリ - 2013.2/1(金) 〜 3(日)